校内へ侵入した寄生生物「A」と戦う新一・ミギー。しかしその結末は意外なものに。そして社会問題となっていく寄生生物の影響は、新一の家族にもー。
岩明均さんの漫画『寄生獣』2巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『寄生獣』2巻 主なあらすじ
- 脳が生き残っている新一に殺意を抱き、校内へ乱入した「A」。頭部を変形、高速で刃を繰り出してくるが、ミギーの作戦により二人はAに致命傷を与えることに成功する。
- その後、田宮良子の体に「同居」しようとするAだが、感づいた彼女によって処理される。教師としての身分を保つことが出来た田宮良子だが、妊娠していることを学校側に咎められ、「田宮良子を辞める」ことに。
- 学校を去る前に彼女と話す新一・ミギー。「人間を食わなくても生きられるんじゃないのか?」と問うと、脳を奪った時に一つの「命令」が来たと語る田宮良子。それは「この種を食い殺せ!」
- Aの事件が一段落した後、同級生が他校の不良に絡まれているのを目撃する新一。そのいざこざに巻き込まれた過程で、不良少女・加奈と知り合いに。非常に感の鋭い彼女は、ミギーの存在、そして新一の中にある「何か」に気づく…?
- その頃、とある地方で一匹の寄生生物に「異変」が。トラブルにより人間の肉体を損傷し、「体の乗り換え」を行うが、性別により拒否反応を起こす。そこに旅行で通りかかった新一の両親。寄生生物は母・信子の体に狙いを定めー。
「この種を食い殺せ!」
『寄生獣』1巻末から続く、「A」VS「ミギー+新一」の戦い。「寄生生物同士の戦い」を「1対2の戦い」に持っていく、というミギーの作戦が功を奏し、決着がつく。
続く田宮良子との話の中で、寄生生物の「本能」が「人間の捕食」であることが判明。この一連の出来事によって、人間と寄生生物が別種の存在である、ということが強く印象付けられ、物語の大きなポイントとなっていく。
また田宮良子のお腹の子が「人間」であることも、興味深いところ。首から下は人間である寄生生物だが、それ同士で交尾しても生まれるのは人間。さて、寄生生物とは果たして何なのか…?
勘の鋭い不良少女
その後、日常生活を取り戻す中で、不良同士の喧嘩に巻き込まれる新一。そこには田宮良子に「混ざっている」と言われたこと、つまり「人間らしさが失われているのではないか…?」という気持ちが。
またその過程で、「新一の中の何か」に気づく不良少女・加奈が登場。寄生生物同士はお互いの波長を感じ取ることができるのだが、「勘の鋭い」加奈にもその能力が…?
右手が寄生生物であることを隠して生きる新一にとって、彼女の存在が脅威となるのか、それとも…?ガールフレンド・村野との関係も気になるところ。
新一の体に大きな変化が…?
そして『寄生獣』2巻の後半では、物語の構造に関わる大きな出来事が。寄生生物に母・信子の体が奪われた!目撃者である父を殺すために家にきたそれの攻撃により、新一は胸を貫かれる!
「生きるため」に新一の体の内部に潜り、体を修復しようとするミギー。その甲斐あって新一は一命を取り留めるのだが、結果その体には「大きな変化」が…?
ビックリするほど大きな出来事が立て続けに起こり、実に濃密な2巻。これを読むともう後戻りできない!『寄生獣』3巻に続く!
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