銃に立ち向かうサムライの刀!:漫画『勇気あるものより散れ』2巻レビュー

不死殺しの妖刀「殺生石」を手に入れるため、皇城に潜入したシノ・春安たち。しかし待ち受けていたシノの兄・隗らと戦闘になり、春安は大きな傷を負ってしまう…。

相田裕さんの漫画『勇気あるものより散れ』2巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。

前巻『勇気あるものより散れ』1巻のレビューはこちら

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『勇気あるものより散れ』2巻 主なあらすじ

勇気あるものより散れ 2 (ヤングアニマルコミックス)
  • 殺生石を振ったことで命を削り、さらに伊庭八郎に斬られた春安。シノの兄・隗を撃退するも、瀕死の重症を負ってしまう。
  • 命尽きようとする春安。そこに自らの血を口移しで注ぎ込むシノ!その甲斐あって、春安は何とか一命を取り留める…。
  • 体力の限界を迎えたシノと春安を背負い、城から逃走する菖蒲と葉狩。逃げ込んだ陸軍練兵場にて幼年兵に見つかるも、それは春安旧知の少年・鉄馬だった。
  • 鉄馬の手引で、同郷(会津藩)の帝国陸軍中佐・山川浩邸に匿われるシノ・春安たち。そこで傷を癒やしながら、一蓮托生の身であることを再確認。絆を深めてゆく。
  • 一方、殺生石を奪われその行方を探す、太政官庁図書掛の山之内。春安らが会津繋がりで山川邸にいると当たりをつけ、兵を率いて来訪。
  • その動きを察知し、屋敷から逃れるシノたち。周囲を張っていた兵を倒し、奪った乗合馬車で逃亡を図るが、山之内ら追手の銃が狙いをつけ…!

致命的な傷を負う春安だが…?

「半隠る化野民(はたかくるあだしののたみ)」である兄たちと刃を交えたシノ・春安。彼らを撃退、妖刀「殺生石」を手に入れるも、春安が致命的な傷を負ってしまう…。

しかしシノの懸命な介抱により、一命を取り留めた春安。シノの血を与えられ眷属となった彼は、目的のためとは言え実の兄を斬ってしまった彼女の心を案じ、「家族殺しの業を一人で背負わないでくれ」と諭す。

この「共に生きること」を確認し、心を通い合わせるシーンがとても印象的。親を殺すために生き、そして死のうとする少女と、その手助けをするラスト・サムライの姿。悲壮感の中に、不思議と希望を感じさせる。

刀と銃が入り乱れる迫真のアクション

そして『勇気あるものより散れ』2巻後半では、逃走するシノたちと追う山之内らによる、怒涛のアクションシーンが展開。

その中で興味深いのが、武器の近代化。武士が刀を置き、徐々に銃を手にする時代。刀を主の武器とするシノ・春安らに対し、短銃・ライフルで攻撃をする兵士。さらに「強力な武器」も登場し…?

刀と銃が入り乱れる戦闘の様子。迫力を感じるとともに、時代の狭間を意識させる。しかし本作はファンタジー要素も持つ剣劇アクション。劣勢の中、「妖刀」が鈍い輝きを放ち…。

ラストでは新キャラクターも登場し、さらなる混沌を予感させる。『勇気あるものより散れ』3巻に続く!

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