最新技術を駆使した「未来寿司」。従来の概念を大きく変える驚異の寿司に、全力で挑む湧吾。勝利を掴むことができるのか…?
せきやてつじさんの漫画『寿エンパイア』10巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
「未来寿司」盛山の凄すぎる背景
『寿エンパイア』10巻前半でメインとなるのは、大江戸寿司番付・敗者復活3回戦「湧吾 VS IT寿司職人・盛山」。ここでもいつもの「対戦相手の人となり」が描かれるのだが、盛山のそれがスゴイ。
幼い頃から優秀過ぎた彼。大学卒業ごにIT企業に就職し、若くして役員に。さらに株主のまま退社、株取引で成功を収め、世界に50の不動産を購入。その後、散財の日々へーという「成功者」。
しかしあらゆる遊びに1年で飽きた頃、故郷の寿司屋で食べた寿司に感動!寿司職人の道へ。
…からの!3Dプリンターを使った「未来寿司」の開発、そして大江戸寿司番付に出場してしまうのだが、そこに至るまでの道のり、そして「世界中どこでも同じ味を」という高い志が圧巻…!非常に面白い、面白すぎる異色の寿司職人。
対する湧吾の選んだ食材は…?
そんな盛山の握る寿司に対し、「未来寿司に対抗できるのはコイツだよ!」と湧吾が選んだ食材は…?
ちょっとネタバレになるのでここでは具体的な名前は出さないが、それは寿司ネタとしては意外過ぎるもの。
が、それが「寿司になるまでの過程」、そして「寿司として完成した姿」を見ると、成程!と唸らずにはいられない。さて勝負の行方や如何に…!
ちなみにその寿司を食べた時の審査員の反応は、非常に微妙なもの(笑)で、ちょっと面白い。
面白すぎる!児島スピンオフ
そんな迫真の勝負とともに『寿エンパイア』10巻で注目なのが、湧吾のライバル(?)・児島の「とある一日」を描いたスピンオフ『鬼神』。
大江戸寿司番付開催期間中、弟分とともに街で昼食を取る児島。しかし入った店「カツカレーとナポリタン」はオープン初日でテンパりまくってる地雷だった!
そこでキレた児島が取った行動は…なんと料理指南!
「こんなのは料理じゃねぇ。猫も跨いで通りすぎるシロモノだ!」とこき下ろす児島。しかし口の悪さとは裏腹に、次々と的確な指導をしていく。親切!(笑)
児島のユニークな人柄を実に上手く表現した読み切り。これを読むと、きっと児島のことが好きになるだろう。『寿エンパイア』11巻へ続く!
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