依然、洋上のクルーズ船を襲う巨大怪獣。自衛隊の攻撃が迫る中、クルーズ船に吊られた救命艇にいる”このえ”たちの命運はー?
井上淳哉さんの漫画『怪獣自衛隊』3巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『怪獣自衛隊』3巻 主なあらすじ
- 触手の攻撃を受け、クルーズ船の救命艇に閉じ込められたこのえ・祖母・少年の3人。クルーズ船の人々を救うためには、護衛艦『あけづき』からの魚雷攻撃が必須。だがそれは同時に、このえ達の生命を危険にさらすことに…。
- しかし魚雷発射を嘆願するこのえ、そして祖母。その意見を汲み、政治的な逡巡を超えてついに発射の命が下る!
- 多くの人々の願いをのせて発射された魚雷は、自衛官・大和の巧みなコントロールにより、怪獣に見事命中!同時に衝撃を受けた救命艇は、海中に沈む。果たしてこのえ達の命は…。
- 一方、怒りに震える怪獣はクルーズ船より離れ、護衛艦へ急接近!大和は冷静に魚雷を誘導し、怪獣の土手っ腹に魚雷をぶち当てる。自衛隊は怪獣を倒すことができたのか…?
- そして今回の一件により、怪獣に関する立法、そして『特殊災害対策室Taps(タップス)』が設立。さらに「オロチ」と呼ばれるようになった巨大怪獣関連の調査のため、大和ら自衛官と専門家たちが尖閣諸島の南小島に上陸する。そこで彼らが見たものは…。
巨大怪獣との戦いに決着が!
クルーズ船を襲う巨大怪獣と、自衛官見習い・このえの孤独な戦いが、今巻で決着。以前に怪獣に仲間を殺された自衛官・大和の執念が、怪獣を追い詰める!
その過程で、このえの祖母が語る自衛隊(または軍隊)に対する思いが、興味深いもの。戦争で家族を失い、孫娘の入隊にも反対していた彼女が、人々を救うために奔走するこのえの姿を見た時に抱いた思い…。
決して「自衛隊バンザイ」という内容ではなく、「誰かが戦わねばならない」時に「戦う人々」の姿を描く流れは、いろいろと考えさせられるものがある。
怪獣の繁殖地…?
そして4ヶ月の時が流れ、新たな日本国総理大臣となったのは、おそらく怪獣事件が影響したのであろう、自衛隊出身の星山に。
その任を受け、尖閣諸島へ上陸した大和ら調査隊。令和の海底地すべりと巨大怪獣の出現には何らかの因果関係があるのか?そしてそもそも、深海の巨大生物が地球表面に現れた目的は何なのか?
ひょっとするとそれは「産卵」ではないのか…。懸念を抱く調査隊は、南小島で恐怖の体験を!そして新たな恐怖が日本を襲う…。『怪獣自衛隊』4巻へ続く!
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