不良グループに勝つために、師匠たちと山ごもり真っ最中の龍之介。果たして「奥義」を会得できるのか?一方、町では龍之介の周辺に不穏な空気が…。
長尾謙一郎さんの漫画『三日月のドラゴン』3巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『三日月のドラゴン』3巻 主なあらすじ
- Jたち不良グループの理不尽な暴力に対抗するため、師匠・凡拙らと山ごもりを始めた龍之介。”朝・昼・夜”のみが存在する時間の中で、徐々にその感性が研ぎ澄まされていく。
- その山ごもりも大詰めとなり、残すは「奥義」の修得のみ。テイクバックから蹴り上げ、上段から弧を描くように足を振り下ろすその大技は、その名も「三日月落とし」!
- 滝に向かって一心不乱に蹴りを続ける龍之介。だがどうしても水流に勝てない。そこに上から流木が!生きるか死ぬかのその刹那、龍之介は無意識の内に三日月落としを放つ!
- その頃町では、道場の仲間にして龍之介の想い人・千秋がJたちにさらわれてしまった!駆けつけた菊代によってその事を知り、怒りに燃える龍之介は、不良グループに電話で「あなたちに決闘を申し込みます!」と宣戦布告をする。
- 師匠たちと別れ、一人海岸へ向かう龍之介。そこで待ち構えるJたちと遂に決戦!修行の成果を見せ、ひとり、またひとりと倒していくが、強敵が現れて…?
奥義習得!
山ごもりを経て遂に不良グループとの決戦!が描かれる『三日月のドラゴン』3巻。前半のハイライトは奥義「三日月落とし」の修得。
足を上段に振り上げ、そこから弧を描いて相手に振り下ろす、という大技。師範・愚太郎の見本を見て、龍之介はただただ、滝に向かって蹴りを放つ…!
何もできなかったひ弱な少年が師匠たちに導かれ、ここまで来たか…!と思うと感慨深いものが。無心で奥義を習得しようとする龍之介の姿に、思わず釘付け…。
夜の海岸で決闘!
その一方で、町では千秋がJたちにさらわれる事態が発生!それを知った龍之介は「許さない!」と遂に決闘へ。
Jたちは非常に「わかりやすい悪役」であり、また龍之介は「わかりやすい正義」。この正義が悪に挑むという、このシンプル過ぎる構図が、良い意味で読者の気持ちを煽ってくる。
さらに海岸で迎えた決戦にて。最初に龍之介に向かってくるのは、わかりやすいザコ(笑)なのだが、それに対して「スローモーションみたいにゆっくり動く人だなぁ…!」と感じる龍之介の感覚。そして相手を難なく倒すその強さに、思わず震える!
しかし敵は一人では無い。徐々に強さを増す相手に、龍之介の空手は通用するのか…?『三日月のドラゴン』4巻へ続く!
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