贋札の力で世界を取れ!:漫画『ハイパーインフレーション』1巻レビュー

神に選ばれ、体から紙幣を生み出す力を得た少年は、知恵と勇気で世界を大きく変えていく!

住吉九さんの漫画『ハイパーインフレーション』1巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。

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『ハイパーインフレーション』1巻 主なあらすじ

ハイパーインフレーション 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
  • ヴィクトニア帝国の奴隷狩りに遭い両親を亡った、ガブール人の少年・ルーク。巫女である姉・ハルと共に成長し、やがて12歳に。
  • そのルークは、両親を守らなかったガブール神への恨みから、数々の宝を破壊し超低純度の贋金を製造。ヴィクトニア人を騙して利鞘を稼ぐ。その目的は帝国と商売し、奴隷の身分から脱却すること。
  • その贋金作りに気づいた、強欲な奴隷商人・グレシャム。別のガブール人勢力に武器を融通し、禁止されている奴隷狩りを加速。さらにオークションにかけるために、ハルを連れて行く。
  • それを止めようとして殴られるハル。薄れゆく意識の中に、ガブール神が出現!「ルーク…お前に『力』を与えにやってきた」
  • ルークの心の奥底に眠る欲望「(世の中と対等に渡り合うために)カネが欲しいッ!!」を引き出したガブール神は、生殖能力と引き換えに「特別な力」を与え、消える。
  • 目覚めると、帝国の一万ベルク札を体の中から無尽蔵に生み出せるようになっていたルーク。しかし出した紙幣は「通し番号が全て同じ」、つまり「贋札」であるという問題が!
  • だがまずはハルを助け出さねばならない。奴隷として捕まったガブール人の一人・レジャットから反乱を持ちかけられたルーク。その話に乗り、一万ベルク札を利用して見張りを倒し、オークション会場へと近づく…!

特別な子供・ルークの力…!

かつて列強諸国が植民地化政策を推し進めた時代のような世界観を持つ『ハイパーインフレーション』。主人公は圧倒的な力を持つ帝国に虐げられている、未開の民族の一人。

そんな状況を打破すべく「力」を手にする!…のだが、その「力」がお金、しかも「贋札」である、という設定がユニーク。

ガブール神に選ばれ、特別な子供として「贋札を生み出す力」を授かったルーク。体力の続く限り無限に贋札を用意できるが、大量に使えばすぐにバレてしまう。

そんな贋札を知恵を働かせることで、「真札以上の価値」として利用、難局を乗り切っていく過程に、ドキドキの止まらない面白さが詰まっている。

アクの強いキャラクターがぶつかり合う!

またちょっとショタ気味なルーク(笑)を始め、カネを得ることだけが行動原理である超強欲商人・グレシャム、同胞でありながらどこか得体のしれない雰囲気を醸し出すレジャットなど、登場人物の「アクの強さ」も、『ハイパーインフレーション』の魅力。

強烈な登場人物たちがぶつかり合い、予想不能な方向へ進んでいく物語。そしてその根底には「カネ(贋札)」、カネのパワー!が大きく横たわっている、何とも不思議な漫画。一度読むとその独特な世界観にハマってしまう。

さて1巻後半では姉を連れ去られ、レジャットと共にその後を追うルーク。グレシャムの腹心・フラペコを人質に洋上へ乗り出すが…?『ハイパーインフレーション』2巻に続く!

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