死にそうな目にあいながらも、何だかんだいって裏バイトから生還してくる和美とユメ。「伝説の裏アルバイター」となりつつある彼女たちが出会う、次の怪異は…?
田口翔太郎さんの漫画『裏バイト:逃亡禁止』3巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『裏バイト:逃亡禁止』3巻 主なあらすじ
『裏バイト:逃亡禁止』3巻には、下記の4編を収録。
- 『学校用務員』
すぐ用務員が変わってしまう中学校。裏バイトの新任用務員として着任した二人は、前任から頼まれる。「もしアンタらが一週間以上続けられたら『何があるのか』教えて欲しい…」 - 『探偵助手』
国民的アイドルの素行調査バイト。付かず離れずの尾行は順調。しかし観察しているうちに、彼の真後ろの姿しか見ていないことに気づく。その正面を見たものは…? - 『温泉宿スタッフ』
人気の温泉宿で、仲居として裏バイトに勤しむ和美とユメ。その人気の源は知る人ぞ知る「秘密の温泉」。その温泉を求める人々の目的とは。 - 『ラジオ局AD』
某ラジオ番組に送られてくるリスナーの投書。その「機嫌」を損ねると、恐怖の出来事がスタッフに襲いかかる。ADとして雇われた和美は、なぜかDJをやることに…。
3巻 レビュー
3巻を迎えた『裏バイト:逃亡禁止』。各話の題材は、学校用務員・探偵助手・温泉宿スタッフ・ラジオ局ADと、既存のホラー漫画ではあまり取り扱われないもので、非常に新鮮。いろんな所にネタはあるものである。
その中でも注目は、『探偵助手』と『ラジオ局AD』。
『探偵助手』で描かれる裏バイトは、アイドル「A」の尾行。和美・ユメら裏バイターはAの後をつけるのだが、「なぜかその後ろ姿しか拝めない」ところにモヤモヤする!
しかしAの正面を見たものに訪れる不幸を目撃する彼女たち。裏バイターに気持ちが同調して、「正面を見たい!でも見るのが怖い!」という心理になってくる、不思議なギミックが面白い。
『ラジオ局AD』は、とにかく設定が斬新。ラジオから不気味な声が…というのは怪奇話で良くあるパターンだが、逆にリスナーの方がパーソナリティー達に不気味な影響を及ぼしていく、という構図。
番組に投稿するとあるリスナー「がまずみさん」。番組の進行が気に入らないと超常現象的な「怒り」をラジオ局スタッフにぶつけるのだが、その怒りのポイントがわからない…。怯えるスタッフを通して、得も言われぬ恐ろしさがジワジワと伝わってくる。
そんなホラーストーリーの進行とともに徐々に明かされていく、和美が裏バイトをする背景。彼女が行き着く先は果たして…?『裏バイト:逃亡禁止』4巻に続く!
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