魔物を喰って迷宮深く潜れ!:漫画『ダンジョン飯』1巻レビュー

宝を目指してダンジョンに潜ったパーティ。リーダーの妹がドラゴンに喰われ、やむなく撤退するが、彼女を復活させるために再び迷宮入り。

しかし先立つものが無い彼らは、現地でモンスターを調理して自給自足の冒険をする!

九井諒子さんの漫画『ダンジョン飯』1巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。

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『ダンジョン飯』1巻 主なあらすじ

ダンジョン飯 1巻 (HARTA COMIX)
  • その場を支配する「狂乱の魔術師」を倒せば全てが手に入る、と噂されるダンジョン。今日も冒険者たちが後をたたない。
  • ライオス(トールマン)のパーティもダンジョン最深部に到達するが、強力なレッドドラゴンの前に全滅寸前。そこを妹・ファリンの魔法で地上に帰還するも、彼女はレッドドラゴンの胃の中へ。
  • ファリンを救うため、再びダンジョンへ取って返すライオス・マルシル(エルフ)とチルチャック(ハーフフット)の三人。
  • だが冒険には金がかかる!先の失敗で色々失った彼らは、ライオスの発案でモンスターを食べて自給自足の迷宮探索をすることに!(ライオス以外はイヤイヤ)。
  • ライオス秘蔵の『迷宮グルメガイド』を頼りに、いろいろ試してみる三人。が、経験不足なのか上手くいかず…。
  • それを見かねて助け舟を出したのが、ダンジョン内で自給自足の生活を送るセンシ(ドワーフ)。「大サソリと歩き茸の水炊き」を完成させ、見事魔物食を成功させる。
  • そしてセンシと意気投合、共にダンジョン最深部を目指すことに。果たしてライオスたちはファリンを救うことが出来るのか?

レシピ付きのモンスター食!

本格的な西洋ファンタジー観を背景に、それと真逆な「モンスターを喰う」というコミカルな要素を組み込んだ、異色の漫画『ダンジョン飯』。

しかし金が無いから食料を現地調達する、というのは実に理にかなった行動で、本作の場合はそれがモンスターである、というだけ。

ただモンスター=魔物なわけで、普通は口にするのが憚られるもの。それを創意工夫で美味しく食べよう!と努力する様が「レシピ付き」で描かれるのが、本作ならではの面白さ。

しかもその過程は非常にマジメなもの。マジメなのだが、ファンタジー世界からはかけ離れたコミカルな様子に、思わず笑ってしまう。

緻密な描写により意外な説得力が

だがその笑いが成り立つのも、作者・九井諒子さんの緻密な設定や丁寧な描写があってこそ。ファンタジーの世界観を崩すことなく、逆にリアリティを高めていき、「モンスター食」に納得感を与えていく描き方がスゴイ。

そして「お腹を満たさなければ力は発揮できない!」という、生き物の基本が徹底されているところに、妙な説得力が。「あれ、モンスター食べるのって、意外と理にかなってるんじゃ…?」と思えるから不思議。

兎にも角にも仲間を救うため、自給自足のダンジョン探索を始めたパーティ。しかし進めば進むほど強力になるモンスター。その冒険の行く末は…?『ダンジョン飯』2巻に続く!

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