グーグル・アマゾン・マイクロソフト…世界最大企業の時価総額は1兆ドル。その金額さえあれば、この世の全てが手に入る!
1兆(トリリオン)ドルを目指して企業した二人の若者。その命運やいかにー!
原作・稲垣理一郎さん・漫画・池上遼一さんの漫画『トリリオンゲーム』1巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『トリリオンゲーム』1巻 主なあらすじ
- 不良に絡まれていたPCオタクの中学生・ガクは、偶然通りかかった同級生・ハルに助けられ、そのお返しに監視カメラをハッキング。ハルの暴力の記録を消す。
- それ以来、友人関係となった二人。大学に入ってもその関係は変わらなかったが、就職活動で差がつく。ハルは持ち前のキャラクターで次々と内定を勝ち取るが、引っ込み思案なガクは内定ゼロ…。
- そして迎えた二人の最終ド本命は、日本最大のIT企業「ドラゴンバンク」。社長令嬢・キリカが直々に面接官となる最終面接で、しかしガクは緊張で失敗。不合格に。一方ハルはキリカの引っ掛けにも動ぜず、内定を勝ち取る。
- 卒業後、バイトとなったガクは、奇しくも入社式の日にドラゴンバンクの窓を清掃することに。そこに屋上から降りてきたハル!ドラゴンバンク社長室の窓に「ドラゴンバンクをいただく」とスプレーで落書き、宣戦布告する!
- かくしてガクとハルは、ほぼ無一文から企業をすることに。しかし事業内容は「これから考える」というハル。まずはダミーの事業計画書で出資者を募ろうとするが…?
「1兆ドル」を目指す破天荒な物語
“1兆ドル”という、途方も無い金額を目指して起業する若者二人。『トリリオンゲーム』1巻冒頭ではその目的を既に達成した二人の姿があり、彼らがそこにたどり着くまでのサクセスが描かれていく。
と言っても、最初は金もコネも無い二人。頼りはハルの異常なコミュニケーション能力。金を出してくれそうな出資者に手当たり次第話を持ちかけていく。結果たどり着いたのは、超の付く大手企業・ドラゴンバンクの社長令嬢・キリカ!
内定を蹴った会社に出資を依頼するハルに「あなた正気?」と歯牙にもかけないキリカ。しかし「あんたは俺らが欲しい。だから金を出すだろ?」と自信満々なハル。この奇妙なやり取りが非常に面白い!
「1億円の出資」をエサに…?
そして条件付きながら、キリカから1億円!の出資を取り付けた二人。やったぜ!『トリリオンゲーム』完!では、もちろん無い(笑)。ここから本作の面白さが本格的に始まることに。
何とハルは、「ドラゴンバンクが自分たちに1億円を出資するんだぜ!」を餌に、さらに条件の良い出資を引き出そうと画策。ガクのIT知識を活かしたハッカー大会に「とんでもない名前」を付けてエントリー!さてその結末は…?
かくして始まったトリリオンを目指すゲーム。『Dr.STONE』の原作者・稲垣理一郎さんの破天荒なシナリオと、超大御所劇画家・池上遼一さんの迫力ある作画が絶妙にマッチして、これまでのサクセス・ストーリーとは一線を画す面白さ。熱く燃え上がって『トリリオンゲーム』2巻へ続く!
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