ついに本性を表した超人・レジャット。ルークから贋札の番号を聞き出すため、強引な手段を取るが…?
住吉九さんの漫画『ハイパーインフレーション』3巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『ハイパーインフレーション』3巻 主なあらすじ
- 帝国まであと一日の地点まで来た帆船。その中では薬を盛られ、朦朧とするルークの姿が。贋札の番号を知りたいレジャットだが、うまく聞き出せず…?
- そのルークの窮地を救ったのは、野人・ダウー。オークション会場でハル姉と交流、弟を救うように頼まれていた彼女。レジャットに戦いを挑む。今ここに、超人VS野人が実現…!グレシャムとフラペコもワクワク…!
- 激しい勝負を繰り広げる二人。結果は圧倒的な野生のパワーでダウーの勝利!…と思われたが、すんでのところでレジャットの知性がそれを上回る!
- そして囚われの身となったルーク。レジャットの要求に屈してついに贋札を渡してしまう…。
- …と思いきや!これを予想してグレシャムと「秘策」を用意していたルーク。ギリギリで危機を回避!帆船を脱出する。
- かくしてルーク・グレシャム・フラペコ・ダウーと、帝国をバックにしたレジャットの対決構図が鮮明に。逃げるルークと追うレジャット。世界経済をかけたルール無用の鬼ごっこが始まる…!
顕になるレジャットの本性…!
ルーク以下、帝国側のレジャット、強欲商人グレシャム、そして野生の女巨人ダウーと、強烈過ぎるキャラクターが個性を発揮し過ぎてきた『ハイパーインフレーション』。この3巻では「VSレジャット」という構図が鮮明に。
贋札の番号を知ろうとする超人レジャットに対し、4人がかりでもかなわないルークたち。ついに贋札を渡してしまう…!
からの逆転劇、そしてそれがルークとグレシャムの共謀で成された、というのが面白い。
その戦いの中で明らかになるレジャットの本性。「全ての人間は世界をより良くする義務を負っている」と一見まっとうな考えを主張するが、その裏には「それを成し遂げるのは高い能力を持つ俺だ!」という悪魔のような傲慢さが透けて見えるのが恐ろしい…。
欲望が混沌を呼ぶ!
かくしてルーク陣営とレジャット陣営に別れた物語。ルークはフラペコの知恵とダウーのパワーを頼りに、やがてガブール人の有力者と繋がって力を蓄えていく。
一方、ヴィクトニア帝国側のレジャットには、二丁拳銃を駆使する銃大好き少女・コレット、極東から来た巨漢のチョンマゲ侍・ヨゼンのふたりが合流。圧倒的な破壊力でルークを追っていく。
それぞれの「欲」がぶつかり、さらなる混沌を形成。その中心となるルークの贋札は帝国、ひいては世界経済にどのような影響を及ぼしていくのか…?『ハイパーインフレーション』4巻に続く!
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