ハントレスたちを殺害、記憶をリセットすることで理想の軍隊を作ろうとする軍人・デルウハ。彼女たちをコントロールするために知略をめぐらせるが…?
六内円栄さんの漫画『Thisコミュニケーション』2巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『Thisコミュニケーション』2巻 主なあらすじ
- 1巻ラスト、デルウハが自分たちを殺していることを、仲間に知らせた”むつ”。そしてそれに気づいたデルウハは、彼女たちを全て殺害。
- 「ハントレス同士の衝突」があったことを捏造、”むつ”には虚実取り混ぜ「みんなの仲を取り持つためにやった」と説明。事なきを得る。
- しかし次に問題となったのが”にこ”。精神的な不安定さからか、デルウハに恋愛感情を…?
- そんな”にこ”をデルウハは、「妙な地雷を踏んだくさいぞ」とあっさり散弾銃で吹き飛ばす!
- そしてリセットした彼女に、「もっと家族と関われ」とアドバイス。自分がコントロールしやすいよう、矛先を違う方向へ向ける。
- “むつ”・”にこ”と「心の操作」に成功するデルウハ。だがさらに問題発生!”いつか”と”よみ”の間に、奇妙な友情発生の予兆。
- それに危惧を抱いたデルウハは、”よみ”・”いつか”と外に出た際に彼女たちのリセットを画策。そこに雪崩が起こり、”いつか”を見失ってしまう。
- 果たして自らの命を雪から守るべきか?それとも”いつか”を探すべきか?デルウハの選択やいかに…?
ハントレスの微妙な人間関係
『Thisコミュニケーション』1巻で舞台設定や人物の紹介が済み、2巻からはより、ハントレスたちの個性が描かれていく。
デルウハに反発をするもの、不審を抱くもの、そして恋をするものまで…?また互いの性格の違いから、ハントレス同士の微妙な人間関係が判明してくる。
「不死の戦士」といっても、微妙な年頃の少女たち。そりゃー、胸の中に抱く思いは複雑なものがあるだろう…。
が!それが自らの障害となるのであれば!容赦なく排除するのがデルウハ。状況に応じてどの道をとるのが最善か!を瞬時に思考、即座に行動!
…つまりハントレスを殺害、その記憶をリセットするわけだが、その「合理的過ぎる」彼の姿が、恐ろしくも面白い。
イペリットの進化に対抗する特訓…?
一方、人類の敵であるイペリットも、独自の進化を遂げていく。超高速で触手を打ち込んでくる「新種」が現れ、それに反応できるのはハントレス最強の”よみ”だけ。
それに対応するために指揮官デルウハは、ハントレスたちに「特訓」をさせるのだが、それは「まさかの内容」で、何ともユーモラス。ちょっと笑ってしまう。
しかしホンワカしてるのも束の間!この漫画は『Thisコミュニケーション』!基本は殺伐としたサスペンスなのだ!
特訓の間にもコントロールを考えるデルウハは、読者の予想もつかない行動を。それがさらに最悪の事態を引き起こし…?『Thisコミュニケーション』3巻に続く!
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