創設以来、順調(?)に任務をこなす特車2課第2小隊。しかしその動きを狙う「怪しい敵」の影が…。そして苦戦する特車2課に新メンバーが…?
ゆうきまさみさんの漫画『機動警察パトレイバー』2巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『機動警察パトレイバー』2巻 主なあらすじ
- 日々レイバー犯罪に対峙する特車2課第2小隊。しかし隊長・後藤は2号機のフォワード・太田とバックス・進士のコンビのテコ入れを考えて…?
- その特車2課第2小隊を、密かに監視する謎の目。正体は外資系企業「シャフト」の企画7課。
- 課長・内海は篠原重工製である98式AV「イングラム」の性能を、自社のレイバーに取り込むことを画策。強力な軍事用レイバー「ブロッケン」を密輸、イングラムにぶつけてデータを取ろうとする。
- 変装した内海は、過激派にブロッケンを譲渡。かくして街で軍事用レイバーが大暴れ!出動した野明は、作業用レイバーとは比べ物にならないそのパワーに苦戦を…。
- だが経験と身軽さで上回る野明とイングラム!機転を利かせてブロッケンを行動不能に。しかし犯人には逃げられてしまう結果に。さらに2体目のブロッケンが襲来!前回より経験を積んだ相手に、特車2課は苦戦を…。
- 不協和音が目立つようになる特車2課。そこに現れたのは、新任の女性巡査部長・熊耳武緒。知力・体力・技術全てにおいて野明や太田を上回る彼女の影響で、隊は徐々に変化を…?
シャフト企画7課・内海登場!
世界観と特車2課第2小隊の始動を描いた『機動警察パトレイバー』1巻。それに続く2巻では、漫画版『機動警察パトレイバー』の中軸となるストーリーがスタート。
非常に優秀な性能を発揮する、篠原重工製イングラム。その能力を自社レイバーに取り込もうとする、外資系複合企業シャフトの企画7課・内海が、「悪だくみ」を開始していく。
この内海、七三に黒縁メガネ、常に笑みを絶やさない「いかにもやり手なサラリーマン」という風情なのだが、その中身は「腹黒い」とも「子供っぽい」とも言える人物。従来の「悪役」のイメージにはまらない、その成り立ちが非常にユニーク。
軍事用レイバー「ブロッケン」の脅威!
その彼が特車2課に差し向けたのは、シャフト・エンタープライズ・ヨーロッパが開発した西ドイツ用の軍事レイバー「ブロッケン」。初めて見た時は「えっ、そんな強いの出しちゃうの?」と驚いた。
だが本作の主人公機は警察用であり、また相手にするのは基本的に労働用の機械。要はパトカーが暴走車を取り締まるようなもので、そういうエピソードを繰り返しても、盛り上がりはもう一つだったかもしれない。
そこにこういう「強敵」をいきなり配置して物語に発展性をもたせたのは、非常に慧眼だったと言える。事実「イングラムが強敵を相手にする」というシチュエーションは、なかなか燃える!
第2小隊に熊耳武緒が加入!
そして内海登場と同時に、もうひとつ漫画版のオリジナルと言える要素・熊耳武緒が特車2課第2小隊に加入。後藤隊長の肝いりである彼女は、警察官としてもレイバー乗りとしても超優秀。
その熊耳、イングラムのフォワードとして伸び悩む野明・太田に良い刺激を与えていくのだが、レベルアップした特車2課は企画7課の挑戦にどう挑んでいくのか?『機動警察パトレイバー』3巻に続く!
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