ALAと接触、リーダー・マックスと直接会話したチャーリー。しかし無実の罪を着せられ、警察に勾留されてしまう。
そこで明らかになる「チャーリーの権利」とは?
うめざわしゅんさんの漫画『ダーウィン事変』2巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『ダーウィン事変』2巻 主なあらすじ
- ALA(動物解放同盟)のリーダー・マックスに嵌められ、テロリストの疑いをかけられたヒューマンジー(人間とチンパンジーのハイブリッド)・チャーリー。
- 警察に勾留されるも、養父母や友人ルーシーは彼を救い出す手立てが無い。なぜなら彼は法律上「物」だから。
- 人間でも、動物保護法で指定された動物でも無いチャーリー。養父母の目標は、合衆国政府に訴訟を起こし、チャーリーのアメリカ市民権を得ることー。
- しかしまずはチャーリーを警察から出さねば!ルーシーの機転と「上からの圧力」もあり、脱出に成功するチャーリーたち。彼と因縁のある保安官フィルは歯噛みをするが…?
- そしてようやくハイスクールに戻ったチャーリー。その権利獲得に賛同したルーシー、まずは彼が学校に馴染むようにと奔走。空回りもするが、徐々に効果が。
- そんなチャーリーを「ヒトとヒト以外の動物の懸け橋」と位置づける高校生・ゲイル。ネットを通じてALAのマックスと接触した彼は、扇動されて凄惨な事件を起こす…。
チャーリーには人権が無い…?
人間とチンパンジーのハイブリッドであるチャーリー。その立場は法律上「物」である、という衝撃的な事実。人間以上の高度な知能を有し、普通に社会生活を送る彼には、人権も何もない…。
確かにチャーリーのような存在が実在したら、その権利を保障する法律は世界のどこにもないだろう。そんな「問題」を容赦なく読者に突きつけ、そして考えさせるのが、『ダーウィン事変』の面白さ。
そのチャーリーの市民権を勝ち取りたい、という養父母の目的に共感し、独自に活動を始める友人・ルーシー。学校では陰キャという位置づけだが、実は非常にクレバーな彼女。「友達」であるチャーリーのために懸命になる姿が、何とも微笑ましい。
暴走する同級生が銃口を向ける!
しかし、そんな学校生活を一変させる出来事が2巻後半で勃発。
動物保護にのめり込むあまり、過激なALAの先鞭として利用されてしまう同級生・ゲイル。マックスの口車に乗り、ライフルを手に取った彼は、にその銃口を同級生に…!
これはいわゆる「スクールシューティング」なのだが、作者・うめざわしゅんさんの絵柄とリアルな描写、臨場感があって非常に怖い!海外で公開したらクレーム来るんじゃないか、というレベル。
テロを「実況中継」しながら校内を徘徊するゲイル。その銃口は学校内にいたルーシーに近づいて…。チャーリーは彼女を救うことができるのか?『ダーウィン事変』3巻へ続く!
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