日本を離れ、バチカンに渡ったアキラと千景。そこで教皇庁の退魔師として活動するアキラの友人(?)・ユーリとともに、マフィアの壊滅作戦に参加する―。
四方山貴史さんの漫画『終の退魔師 ―エンダーガイスター―』9巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
前巻『終の退魔師 ―エンダーガイスター―』8巻のレビューはこちら
『終の退魔師 ―エンダーガイスター―』9巻 主なあらすじ
- ユーリに「かなり不愉快な内容」の映像を見せられる、アキラと千景。そこに映っていたのは、マフィア主催の「オークション」で女性部下が残酷な仕打ちを受ける様子だった…。
- 結果、彼女は死亡。復讐に燃えるユーリは、3日後に行われるオークションに潜入するため、二人をスカウト。アキラと千景も参加を了承する。
- ローマで束の間のデートを楽しんだあと、海上で開かれるオークションへ向かう三人。その目的は「オークション運営組織の調査」と「顧客情報の入手」。
- そのオークションに参加予定の富豪に成り代わるアキラ。途中、いくどかのチェックで冷や汗をかきながらも、会場への潜入に成功。しかし会場では恐ろしい人身売買が…。
- 一方、ステルススーツに身を包んで船内へ潜り込む、ユーリと千景。二手に分かれて行動を取る。
- そして船内奥へと進んでいく千景は、特別なガードに守られた部屋を発見。そこで研究者が行う、「悪霊」を使った人体実験を目撃する―。
ユーリと共に闇オークションの調査へ
8巻で退魔師協会に追われる身となり、バチカンに渡ったアキラと千景。アキラとは旧知の間柄であるユーリとともに、マフィアの人身売買オークションを調査するスニーキングミッションに参加することに。
しかしそこで行われている金持ち向けのオークション。霊媒体質の女性に悪霊を憑かせて嬲り者にするという、実に非道いもの。Oh, terrible…!
そこに潜入するアキラたち。ユーリから装備を支給されるのだが、失った左手をカバーするハイテク義手を手にしたアキラがひとこと。
「なるほど。T-800…いや、フュリオサか?」
数々の映画オマージュを仕込む『終の退魔師』らしいセリフに、思わずニヤリ。
千景のアクションに注目!
そして9巻の注目の一つが、千景のアクション・シーン。
アキラ・ユーリと別行動を取り、ひとり船内を調査する彼女。ユーリからもらったステルススーツなど最新の装備を身につけているが、しかし感知を防ぐために霊力は使えない、という状況。
そこで頼みの綱となるのが、彼女本来が持つ格闘スキル。物心ついた時から「物事の仕組みを理解することに長けていた」という彼女。そのメリットは「相手のどこを攻撃すれば効果的か」を瞬時に理解できること。
師・タンジンシーに「淡縞千景ほどの潜在能力を持つ者は、今に至るまで一人も見たことは無い」とまで言わしめるその力が、今巻でフルに開放される!彼女が見せるスピーディなアクションが、圧巻…!
だが調査が目的のはずだったのに、結局派手に暴れまわる三人(笑)。制圧は容易と思われたが、予想外の出来事が…?『終の退魔師 ―エンダーガイスター―』10巻へ続く!
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