謎のED錠の再現に成功した建男。効果はバツグンだが、効きすぎて昇天してしまった人間が!薬の製造をためらう建男だが、事態はすでに引き返せないところまで来ていた…。
高橋ツトムさんの漫画『JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~』2巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
前巻『JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~』1巻のレビューはこちら
『JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~』2巻 主なあらすじ
- 建男が精製したED錠を、上司である教授に渡した鹿子。しかしそれを服用したのち、死亡してしまう。
- それを聞き完全に怖気づいた建男。薬の精製を拒否するが、儲け話を目の前に須磨岡・鹿子がそれを許すはずもなく。今ある材料だけで「600」作って終わり、と提案し、建男もそれを飲む。
- しかし教授の死亡を不審に思った刑事・大佛は、鹿子がED錠を渡したことを聞きつけ、さらにその手は建男にまで及ぶ。あらかじめ打ち合わせていた通りの受け答えで難を逃れるが…?
- 一方須磨岡から、ED錠が夜の営みに悩む人々の活力となっていることを知る建男。「ボクは価値のある仕事をしたんだ」と自己肯定感を高めていく。
- そして想像を超え、夜の街に浸透していくED錠。「ジャンボマックス」と呼ばれるようになったそれは、有象無象どもを引き寄せていく…。
建男の情熱が暴走…?
薬に対する興味から研究を重ね、遂に強力なED錠を作り上げた建男。しかし根が小心な彼は薬の違法性、そして死者が出たことを知って、身を引こうとする。
が、そうはさせじと言葉を弄して、「最後の600錠」を作らせる須磨岡と鹿子。そのクズっぷりは気持ちいいほど(笑)なのだが、特に見た目に反して腹黒さ満点の鹿子が、魅力的なキャラクター。非常にいい味を出している。
一方、薬への情熱はあるが、「悪いことはしたくない」建男。しかし自分の行ったことが人々の役に立っていることを実感し、やや暴走気味に。このある意味アーティスト気質を持つ男の行動が、物語を予想外の方向へと引っ張っていく様が面白い。
欲望が欲望を呼んで…
そして危険なED錠は、徐々に世の中へ浸透。やがて「ジャンボマックス」と呼ばれるようになり、ここでタイトル回収。600錠作って終わり…
…になるはずもなく、むしろ逆。強力過ぎる効果がゆえに死者も出すそれは、EDに悩む人だけでなく、金の匂いに敏感な「如何にも胡散臭い人物」も引きつけて…?
となれば、動くのはもちろん警察。鋭い嗅覚を持つ刑事・大佛は、やがて建男の周辺へ。果たして彼は犯罪者として転落してしまうのか…?欲望が欲望を呼ぶ物語。『JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~』3巻へ続く!
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