豪華客船の船底に取り付いた巨大怪獣が、触手を伸ばして船内の人々に襲いかかる!乗り合わせた自衛隊任官予定の主人公は、事態を打開できるのか?
井上淳哉さんの漫画『怪獣自衛隊』2巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『怪獣自衛隊』2巻 主なあらすじ
- 豪華クルーズ船”富岳”の真下に取り付いた、謎の巨大怪獣。触手を船内に伸ばし、人々を捕食し始める。
- 防衛大学を卒業、祖母とクルーズ船に乗り込んでいた”このえ”は、ブリッジで触手をかいくぐり傷ついた乗員1名を救出。しかしもう1名は…。ショックを受けるこのえ。
- スマホで自衛隊海将補から「(船内の人々を)助けることができるのはキミだけだ」と励ましを受け、再び立ち上がるこのえ!乗員からマスターキー(手斧)を受け取り、触手が蠢く船内の映画館へ突入!
- そこで触手と戦いながら「音に敏感」という特性に気づくこのえ。人々に音を出さないように指示。犠牲を食い止めることに成功する。
- そして海保のレスキューヘリが富岳に到着。これで助かる…と思いきや、触手の攻撃を受けヘリは墜落。乗員が犠牲に…。
- しかし船内から配信されていた動画がマスコミに伝わると、世論は「自衛隊を出動させろ」という空気に。中国との軋轢を恐れて一歩を踏み出せない総理は、どのような決断を下すのか…?
触手に立ち向かう”このえ”!
『怪獣自衛隊』2巻では、クルーズ船をターゲットにした巨大怪獣の触手攻撃と、それに対抗するこのえらの行動がメイン。
「巨大怪獣もの」というよりは、「海洋モンスター・パニックもの」的なテイスト。触手の先にある「口」で、船内の人々が次々と犠牲に…。
その触手と手斧一本で渡り合うこのえ。小柄ながらも筋肉質な彼女(カバーの腹筋を見よ!)は運動能力、そして「勇気」を振り絞って道を切り開いていく!
そのアクションシーンが非常に迫力のあるもので、思わず手に汗握ってしまう。躍動感あふれる彼女の動きから目が離せない!
「怪獣」と「政治」
そして後半では、政府+自衛隊トップが登場する政治パートへ。
怪獣が出た!ミサイルを撃て!なんて単純なものではなく、周辺国家への影響や、自衛隊の攻撃で死者が出たらどうするのか?といった「政治的駆け引き」も描かれていく。
徐々に緊張感が高まる中、果たして日本は、自衛隊は、怪獣に向かって引き金を引けるのか?その最前線には、1巻で乗艦と仲間を失った自衛官・大和の姿が…。『怪獣自衛隊』3巻へ続く!
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