怪獣の目撃情報を得て、「隅田川のネッシー」をドローンで取材する美沙たちマスコミ。ついにその姿を捉えるが、その先には惨劇が…!
井上淳哉さんの漫画『怪獣自衛隊』5巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『怪獣自衛隊』5巻 主なあらすじ
- 隅田川~日本橋川を泳ぐ怪獣らしき姿を発見した、美沙ら取材班。警察に通報し、さらにドローンで追跡を続けるが伝送範囲外に。現場へ急行する。
- しかし怪獣の進行先には、折り悪く回送中の小型ナイトクルーズ船が!怪獣に襲われクルーズ船は沈没、船長が犠牲となってしまう…。
- 怪獣出現の報を受け急遽、東京都庁で対策会議が行われる。都知事・鳥嶋以下、警視総監や自衛隊Tapsの大和らが出席。初めての「怪獣災害」として体制が整えられていく。
- 一方、美沙に尖閣諸島で撮影した「オロチ」幼体の映像を見せるこのえ。それが隅田川に現れた怪獣と同一のものであることが確認される。
- しかし怪獣は一体どこから現れたのか?米軍の関与も否定できない、このえらTapsの面々。さらに怪獣が複数体いる可能性も…?
- そして緊急事態宣言が発令。戒厳令下に近い状況となった東京で、自衛隊と警察が連動した怪獣対策作戦が始動!果たして怪獣を駆除し、都民の安全を守ることができるのか…?
怪獣の存在が明るみに
遂にマスコミによってその姿が捉えられた怪獣!しかし同時に、悲劇の模様もカメラに映る。現実に怪獣が人間を捕食することが明らかになり、ショックを受ける美沙。
いよいよ「怪獣災害」が本格的に描かれる『怪獣自衛隊』だが、物語冒頭とはやや趣きが異なる展開。大型の肉食獣が人々に襲いかかる!といったテイスト。
巨大怪獣が東京を襲う!というタイトルから抱いていたイメージでは無いが、これはこれで緊迫感があって面白い。人間がかつて見たことの無い未知の大型肉食獣に、如何にして人々は立ち向かうのか?
政治面での「対怪獣」
また5巻でクローズアップされるのが、政治パート。
もし巨大怪獣が出現したら、国家一体となって…みたいな感じを想像しがちだが、実際は国はもちろん、地方自治体や警察・自衛隊など各組織の連携が必要になるのは、コロナ禍で既に体験した通り。
そこで描かれる各行政機構や組織同士の連帯、もしくは半目が顕になっていく。対怪獣戦闘が物語の「動」とすれば、「静」と言うべきその様子を余すところなく描くのも、「怪獣エンタメ」の醍醐味。
兎にも角にも目の前の脅威に対処するべく動く、現場の人間たち。日本本土で初めて怪獣に会敵する彼らの運命はー?『怪獣自衛隊』6巻へ続く!
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