老舗寿司店・華山の最下層に落とされた湧吾。そこから這い上がるには「東京寿司職人若獅子杯」に出場、実力を認めさせるしかない!
せきやてつじさんの漫画『寿エンパイア』2巻レビュー。ややネタバレあり注意。
『寿エンパイア』2巻 主なあらすじ
- 雅の配下の職人・橋元にいびられ、華山の最下層でもがき苦しむ湧吾。そこに救いの手を差し伸べたのは、同じく見習いの藤原。
- 一見チャラそうに見える藤原。しかし彼が魚に対して確かな目を持ち、また寿司に情熱を傾けていることを知った湧吾。コンビを組み、「東京寿司職人若獅子杯」で優勝を目指すことを誓う。
- その「若獅子杯」には、イジメの相手・橋元もエントリー。予選でイチャモンを付けてくる橋元に対し、湧吾は「俺たちが優勝したら謝ってくれますか?」と啖呵を切る。
- そして予選開始!個性的な寿司職人が揃う中で寿司を握り、「日本に来てよかった!」と喜びを噛みしめる湧吾。「跳ねる鯵と針茗荷」で決勝進出を勝ち取る。
- 8組によるトーナメント戦で競う決勝。湧吾と藤原は、そこに向けて万全の準備を整える。が、雅に勝利を厳命された橋元は、決勝戦前夜に湧吾たちの食材を使い物にならなくしてしまう。
- 市場も閉まっている状況で、果たして湧吾たちは決勝トーナメントで寿司を握ることができるのか?
寿司職人のバックグラウンドに注目
先輩からの理不尽なイジメで消耗していく湧吾に、心強い味方が登場!底辺から抜け出すために手を取り合い、寿司コンクールに出場することに。
ちなみに『寿エンパイア』では今後の物語でも、多彩な寿司バトルが展開されていくのだが、そこに登場する寿司や、丁寧に描かれる寿司職人たちのバックグラウンドが、非常に面白いもの。
そして数々の職人たちに出会い、寿司の腕を較べることになる湧吾。海を渡り、寿司の本場である日本で成長していくその姿に、思わず手に汗握ってしまう。
先輩の嫌がらせでピンチに…?
話を戻して決勝トーナメント。食材を失った湧吾たちは絶体絶命のピンチに。しかも一回戦の相手は橋元。あまりにもひどすぎる仕打ちに、読みながら思わず歯ぎしりしてしまう(笑)。
しかし!そこを乗り越えていく前向きな力を持つのが、主人公・湧吾。そして単純にスゴイ寿司を握る・握らないの話ではなく、読んでいて「食べたい!」と思わせる寿司が登場してくるのが、『寿エンパイア』の醍醐味。
またライバルとなる相手の気持ち、背負っているものも手抜き無く描くことで、よりドラマ感がアップしているのは、流石のせきやてつじさん。満足の物語感を味あわせてくれる。
だが決勝トーナメントはまだ始まったばかり。湧吾たちが優勝するためにはさらに高い壁が…?『寿エンパイア』3巻へ続く!
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