同行取材開始から初めての成果!念願のエゾヒグマ撃ちを果たしたチアキとカズキ。しかしチアキの姉は猟をする妹を快く思わないよう。その理由は…?
安島薮太さんの漫画『クマ撃ちの女』2巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。前巻『クマ撃ちの女』1巻のレビューはこちら
『クマ撃ちの女』2巻 主なあらすじ
- 崖下に転落し、思いがけずヒグマと遭遇したチアキ。カズキを囮にすることで辛くも獲物を仕留めることに成功!同行取材後、初の猟果となる。
- 意気揚々とクマを解体、運搬するも、途中でキツネに横取りされる二人。そしてチアキは疲労のためか体調を崩し、取材は一時中断。
- 自宅で静養するチアキのもとへ、姉が来訪。チアキがクマ撃ちをしていることを知ると激怒。「舐めたことやってんじゃねぇ!!」とチアキを殴りつける。どうやらクマ撃ちには姉の過去が関係しているよう…?
- その後ヒグマ猟と取材は続行するも、熊に出会うことはかなわずに不発。そんな二人を姉は「鳥撃ち」に誘う。いつもと違うエアライフルでのハンティングにが、チアキの気分転換に。
- 姉妹のハンティングに同行したカズキは、そこで姉から「チアキがクマに執着するきっかけ」になった話を聞く。それは若かりし頃の姉妹の、恐怖の体験だった…。
「解体」も猟の一部
念願のヒグマ撃ちを体験したカズキ。その緊張感もさながら、その場で行われる「解体」の様子が非常に興味深い。
ヒグマの体の構造を考慮した効率の良い解体の仕方。どの部位を捨ててどの部位を持ち帰るかの取捨選択。そして「胆のう」などクマならではのお楽しみ…。
獲物を撃って終わり、では無い。その後の解体処理も猟の一部。そんな丁寧に描かれるリアルな現場模様が、『クマ撃ちの女』の醍醐味。
またチアキが休んでいる間に、別のハンターの鹿狩りを取材するカズキ。クマ撃ちと比較するべくもないその「楽」さに驚く彼の様子に、逆にチアキがいかに神経をすり減らして猟をしているか、が伝わってくる。
チアキの姉が体験した恐怖…
そして今巻の注目は、初登場となるチアキの姉。
元ヤン風味で非常に柄の悪い彼女だが、厳しさと優しさを持つ女性。クマ撃ちを続ける妹を心配する彼女が語った、「チアキがクマ撃ちをする理由」。
これがガクブルの内容で、「獰猛な野生動物と対峙することの恐ろしさ」がこれでもか!と伝わってくる。
さてチアキのクマ撃ちに反対する姉の存在は、カズキの取材にどのような影響を及ぼすのか?『クマ撃ちの女』3巻へ続く!
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