師匠が手負いのクマに襲われた!山を恐れていたチアキは、師匠を助けるために引き金を引けるのか…?
安島薮太さんの漫画『クマ撃ちの女』4巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『クマ撃ちの女』4巻 主なあらすじ
- 撃ったクマに不用意に近づいた師匠・光本は、瀕死のクマの反撃を受けて負傷。さらに押さえつけられる!それを見たチアキは銃を構え、冷静にクマにとどめを刺す。
- 指を2本失いながらも大事に至らなかった光本。しかし今回の「事故」の過程で、銃に事前に弾込めすることにしたチアキ。違法と知りながらも、クマを確実に仕留めるために決断をする。
- そしてスランプを脱したチアキは、立て続けにクマを仕留めていく。その彼女の話がカズキの祖父から猟仲間に伝わり、牧場のオーナーと猟友会の北見から、「クマの駆除」を依頼されることに。
- 牧場の子牛を襲うクマ。その映像を見たチアキは、それが若き日の自分と姉を襲ったクマかもしれない、と気づく。
- 北見たちに内緒で、ひとりクマを仕留めようとするチアキ。それを止めようとするカズキに、彼女は「クマを撃つ本当の理由」を語りだす…。
スランプ脱出…?
目的のためには手段を選ばない、という猟をする師匠・光本。法を犯しても効率を優先させるそのやり方に反発しつつも、結果的にそれが彼の命を救い、またチアキのスランプを解消させる、という皮肉な結果に。
しかしその過程で描かれる、ヒグマの反撃が怖すぎる!
一歩間違えば恐ろしい結果に、というかむしろ生き残ってラッキー、といった緊迫の展開。「野生動物の恐ろしさ」がヒシヒシと伝わってくる。
そしてスランプを脱したチアキは、立て続けにクマ撃ちに成功。その過程で描かれるキツネとの争いや、クマ料理の様子など、猟以外の描写にもリアルさがあふれているのが、『クマ撃ちの女』の醍醐味。メインテーマである「野生のヒグマ撃ち」以外からも、猟の面白さがあふれている。
チアキの「本質」
さらに4巻後半では、クマ撃ちの実績を認められて、「牧場を襲うクマの駆除」を依頼されるチアキ。
そこで明らかになる、「チアキがクマ撃ちをする本当の理由」に驚愕。クマに襲われて片足を失った姉。その敵討ちだと思われていたが実は…?
そんな彼女の「本質」を描く、高校生時代のエピソードも登場。女子高生なチアキもインパクトがあるが、話自体もいろいろ強烈。そして一人牧場でクマを狙う彼女は…。『クマ撃ちの女』5巻へ続く!
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