クマ撃ちの相棒として、狩猟犬・ワンを迎えたチアキ。その力を借りて獲物を追い詰めるが、思いもかけぬトラブルが…?
安島薮太さんの漫画『クマ撃ちの女』6巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『クマ撃ちの女』6巻 主なあらすじ
- 鹿狩りを経て、絆を深めた(ように見える)チアキとワン。いざ、クマ撃ちへ!狩猟犬としての本領を発揮するワンは、森の中に潜むクマを追い立てていく。
- まとわりつくワンが気になり、隙を見せるクマ。その横っ腹へチアキは弾を打ち込み、見事命中!倒れるクマだが、うかつに近づいたワンにその爪が…!
- 手負いのクマを仕留めるチアキ。ワンのもとへ駆け寄ると、腹が裂け腸が顔を出していた…。応急処置を施して動物病院へ。そこで医師から「治っても狩猟は無理かもしれません。安楽死…させますか…?」との宣告が。
- 「助けてください!」命を選択したチアキ。結果、ワンは一命を取り留めるが、もう秋の忍び猟はできず、また痛い出費がのしかかることに…。
- その後、車で流し猟をするも成果は上がらず。そんな時に牧場で世話になった北見から連絡が。向かった先で、ハンター志望の女子大生・中野を紹介され、彼女と共にクマを捕らえる箱罠用の「エサ」を調達することに。
- その後、北見から害獣の駆除隊に入ることを勧められるチアキ。しかし「シガラミ」に囚われたくなく、何より「クマに勝つ」ことを優先する彼女はそれを拒否!ワンがいなくても一人で山に入る覚悟を決めるが…?
傷ついた狩猟犬…
狩猟犬・ワンを伴ってのクマ撃ちにチャレンジしたチアキ。が、クマは撃てたもののワンが傷つき、色々と痛い結果に…。その過程でなかなかショッキングなシーンも描かれる。
そしてワンを連れて行った動物病院で、チアキが「命の選択」を迫られるシーンも。仮に治っても、狩猟犬としては使えないかもしれない。生かすか、それとも…?
結果、ワンを助けるという選択をしたチアキに少し安心。その後で描かれる、飼い主も補助しながら行われる手術の様子が、また興味深いもの。ハンティング以外のリアルさも、『クマ撃ちの女』ならではの醍醐味。
チアキのクマ撃ちの原点
6巻後半では、新キャラクター・中野ちゃんが登場。そこで描かれる、箱罠猟の様子。実際にクマがかかり、最終的には北見によって射殺されるのだが、そこで「自分のクマ撃ちの原点」を思い出すチアキの様子が面白い。
「私は世の為・人の為にクマを撃ってるんじゃないんですぅ!」
罠にかかったクマを撃ったところで、自身の心の奥底の欲望は満たされない。クマに圧倒的に勝ちたい!という彼女のキャラクターを再確認。
そして1ヶ月半が過ぎ、北海道は本格的な冬へ。そこで借りのある北見の誘いを断れず、シカの巻狩りに参加させられるチアキ。そこでもひと悶着が…?『クマ撃ちの女』7巻へ続く!
コメント