伯父・カツヤの提案で、冬山に忍び猟にやってきたチアキたち。かつてクマ絡みで恐怖の体験をした彼が、姉妹に伝えたいこととは何なのか…?
安島薮太さんの漫画『クマ撃ちの女』8巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
『クマ撃ちの女』8巻 主なあらすじ
- チアキと姉のチカ、カズキを連れ出し、冬山へヤマドリ猟に来た伯父・カツヤ。しかしチカは気乗りしない様子…。だがそれを意に介さず、カツヤは歩みを進めていく。
- するとヒグマの痕跡を発見。それを見て、かつてヒグマに足を奪われたチカはパニックに。そんな彼女を「チアキがいるから大丈夫」と諭すカツヤ。彼の目的は、かつて猟を楽しんでいた頃の気持ちを、二人に思い出させることだった…。
- そして協力して猟を成功させる三人。ヤマドリを持ち帰り、カツヤの料理に舌鼓を打つ。その中でチアキとカズキの意外な関係が明らかに…?
- その後、旅行中の家族がヒグマに襲われ、一人が連れ去られる事件が発生!チアキは猟友会の北見に請われ、「行方不明者の捜索」という名目の「遺体回収」に参加することに…。
- 猟友会のハンターたち、そして警察と共に、被害者の行方を追うチアキ。かつて雪山で遭難者を発見した力を発揮するが、団体行動ゆえの制約にイライラして…?
伯父・カツヤの想い
物静かなカツヤ。あまり表情の無く、何を考えているのか?がわかりにくい人物。その胸の内が冬山での猟で詳らかに。
それは自分が猟を教えたことが姉妹の人生を大きく変え、そして影を落としてしまったのでは無いか、という悔恨。そして「猟の楽しさ」を改めて伝えること。
この「伯父の姉妹への愛情」がひしひしと伝わってくるエピソード。派手さは無いんだけど、じわじわ来る…!ちなみにカツヤ氏、意外とお茶目な表情するのね(笑)。
ヒグマの犠牲者が…!
8巻後半では場面が一転し、北海道在住のとある家族が旅行に出発する風景が描かれる。
夫婦と幼い兄妹から成る幸せ4人家族。子どもの一人が尿意を催し、人気の無い雪道で車を止めたことから悲劇が…!
「クマに人が襲われる」というニュースは良く耳にするが、実際に人が生きたまま連れ去られるケースが描かれると、かくも恐ろしいものなのか、と愕然…。
そしてチアキは北見の依頼で「捜索隊」へ参加。これまでは「単独でのクマ撃ち」を行ってきた彼女が、団体で行動することに。
そのギャップに不満を隠せない彼女。これまでに彼女の猟を見てきた読者には、そのイライラが手に取るよう。しかしそんなチアキの気持ちを一瞬で吹き飛ばすような事実が発覚し…?『クマ撃ちの女』9巻へ続く!
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