ユメと和美、二人の危険な裏バイトは、ついに「空」へ!そこで待ち受ける恐怖は果たして…?
田口翔太郎さんの漫画『裏バイト:逃亡禁止』7巻コミックス・レビュー。ややネタバレあり注意。
ちょっと笑える「交通量調査員」
『裏バイト:逃亡禁止』7巻では、以下の5編を収録。
- 気象観測
- 人材レンタル
- 料亭スタッフ
- 交通量調査員
- 遺跡発掘調査補助員
このうち「交通量調査員」は、ユメと和美の後輩裏バイター・橙(だいだい)が主人公のショート・ストーリー。
「いわくつき」のトンネル出口から出てくるものをカウントするバイトなのだが、当然「裏」なので、車やバイクに混じって「ヤバいもの」が…。
が、持ち前のアホさで難を切り抜ける…というか、難に気づかない橙に思わず笑ってしまう。
不気味過ぎる「空のホラー」
ホラーに話を戻して(さっきのもホラーなんだけど)、まずインパクトを受けるのが「気象観測」。
何もないだだっ広い平原の真ん中で「墜落して」人が死ぬ、という事件が起こった場所で、気象観測の裏バイトをする二人。
だが空に「何か」が見えたり、人が行方不明になったり、様々な出来事が。依頼者である気象観測所所長とその娘、二人の「話」もなぜか食い違いを見せ、不気味な雰囲気に…。
そして裏バイトであるユメと和美は、調査のために気球で空へ…なのだが、青さ・広さを感じる清々しい空の描写のところどころに、不気味な表現が混ぜ込まれているのが面白くも恐ろしい。「空のホラー」感が秀逸な一話。
変わりゆく世界…?
そして7巻の最終話「遺跡発掘調査補助員」。考古学者とともに人間の上位種族である「異形人類」を探すユメ・和美は、森の中の遺跡で「何者か」の視線を感じ…?
心霊・怪奇系のホラーとは一味異なる、オカルト・ミステリー風の一話。世界の構造が変わっていく…的な不気味さに背筋がゾワゾワ。こういう幅広い恐怖が楽しめるのが『裏バイト:逃亡禁止』ならでは。
そして本巻からは、気になる人物も登場。「世界の裏側」を知っている・関わっているみたいな雰囲気の「彼女」。不気味な魅力があるのだが、その正体は…?『裏バイト:逃亡禁止』8巻へ続く!
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